CMC水性ワニス(カルボキシメチルセルロース アンモニウム塩水溶液)概要
CMC 水性ワニスは、高純度の酸型カルボキシメチルセルロース(当社にて生産)を、
アンモニウム塩水溶液として商品化したものです。
当商品は、理想的究極の水性塗料として多方面で使用できます。
性状
5% 溶液で餅状である。(扱いやすい)
順次希釈して、0.1 〜 1 % で使用する。
カルボキシメチルセルロースアンモニウム( CMC-NH4 )について
セルロースは、木綿が示すように、酸・アルカリ・熱・光に大変強く、また吸放湿しやすい性質で、肌着として最適です。
セルロースは、グルコースが持つ水酸基とエーテル結合の性質に基づいて水に溶けるように思われますが、溶けません。その構成単位数、重合度n が
数万、数十万に及ぶ見事な結晶のためです。この見事な結晶構造の炭素原子が親油性を発現して水でも油でもよく吸収する性質は、
手ぬぐいや雑巾などで日常でも馴染みのものとなっています。
グルコースに含まれる水酸基をエーテル化させたカルボキシメチルセルロース(CMC)が、戦中戦後の食糧不足の時に澱粉糊に代わるものとして発明されました。
現在では、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩が CMC と呼ばれて各種産業で糊剤や粘度調整剤として定着していますので、当社では
本来のカルボキシメチルセルロースを CMC-H と示します。
近年、『カルボキシメチルセルロースをアンモニウム塩として塗布し、乾燥してアンモニアを揮発させ、本来の CMC-H に戻って非常に強靭な皮膜を作る』
という使用がなされています。つまり、水性ワニスとしてカルボキシメチルセルロースアンモニウム塩を使用しています。
この場合、ナトリウムが残留すると、被膜の耐水性、電気特性が比例的に損なわれます。
しかし、ナトリウムの残留を無にする事には大変な装置と労力コストがかかり、実際には極めて特殊な用途でわずかしか使われてないのが現状です。
当社は、ナトリウム残留が問題とならない高純度の酸型 CMC-H の生産に成功いたしました。
CMC 水性ワニスが、それを商品化したものです。
用途例
腐食しかけた物(木製品、コンクリート、鋼製品、等)の補修に適用できます。
木製品(文化財、標識、等)の補修例
- 大きな亀裂にCMC水性ワニスをそのままヘラで隙間に押し込み、1日以上の青天で乾燥させる。 (被塗装面が多少汚れていても塗装可能です。)
- CMC水性ワニスを 2 〜 3 倍に希釈して使いやすい粘度に調整し、当該製品に塗布する。
このとき、薄いものほど内部に浸透し、全体を固める効果がでます。
何回も重ねて作業し、塗り重ねの間の乾燥時間を長くします。 - 雨に当たらないようにして充分に乾燥し、その後好みの水性塗料で仕上げる。